《5章》動物の第六感の不思議

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鳥類も含めて、動物の本能的な知覚能力、俗にいう第六感については、昔から不思議な話が多く語られています。

戦争中には、動物に導かれて危く爆撃を免れたという話がよく聞かれました。火事で焼失する家のネズミなどが二、三日前からいなくなるという話と共通しているように思えます。

本章ではそうした話の中から、人間の頭ではとても解釈のつかない不思議な動物の行動の実例をいくつか挙げてみましょう。

『ニューズ・クローニクル』紙によると、ある家族がイングランド北西部の州カンバーランドの小さな村から六十マイルも離れた土地に引っ越した時、一匹の猫も連れて行きました。その猫が三日後に三匹の子を産みました。ところが、翌週、その三匹の子猫もろともいなくなってしまいました。そして三週間後に、もとの村の家に四匹そろって戻ってきたというのです。

生まれて一週間そこそこでは、子猫は満足に歩けないはずです。親が口にくわえて運んだとしても、一度に三匹はむりでしょう。一匹をくわえて運んでは、また戻ってきて次の一匹を運んだのでしょうか。ヒッチハイクでもしたのでしょうか。もしも一匹一匹運んだとなると、親は合計で三百マイル歩いたことになります。その間に野ねずみでも探しに行ったとすると、その行動は人間の常識では理解できません。

同じ猫でも、船に住みついている猫は、寄港した土地での行動が実に不思議です。どこかに寄港すると、猫は必ず“下船”して、どこかへ姿を消します。が、出港の日には必ず戻ってくるそうです。“ニューズ・クローニクル”に掲載された・フォード氏の話によると――

氏の船に住みついている猫は、わずか三十分の寄港でも必ず“下船”して、どこともなく姿を消すのですが、出港直前にきちんと帰ってくるというのです。一度は一週間も滞在したことがあるそうですが、その間一度も姿を見せないのに、いよいよ出港する日にはちゃんと帰ってきたそうです。

『エディンバラ・ディスパッチ』紙にはもっと面白い話が出ています。商船のスター号の甲板長にとてもなついていた猫の話です。

シドニーに近いコカツー島沖に投錨(とうびょう)しているうちにその猫が姿を消し、十一月二十二日の出港の日になっても帰って来ないので、やむなくロンドンへ向かいました。

ロンドンに着いたのは翌年の一月十四日でしたが、それから一週間後に、その猫が姿を現わしたのです。上船すると真っすぐに甲板長の船室へ直行しました。が、甲板長は盲腸炎の手術で上陸して不在でした。猫は甲板長はどこに行ったのかと、船じゅうを探しまわったといいます。

それにしても、一一、二○○マイルの距離を一体どうやって戻ってきたのでしょうか。スター号の船長はこう語ります。

「考えられるのは、オーストラリアの定期船テミストクル号に乗ってきたというこです。われわれの船とほぼ同じ頃に着いたので、運よく見つかったのでしょう」

でも、一体それがロンドン行きであることをどうやって知ったのでしょう? 五感で判断できる性質のものでないことは確かです。

方向感覚の不思議となると、鳥類にはその例が豊富です。実験的に行なって成功した最も驚異的な例に次のような話があります。

フランス北部にアラスという町があります。そこへ、インドシナのサイゴン(現ホーチミン)から一羽の伝書バトを連れて行って放し、ちゃんと元の屋根裏に帰ってくるかどうかを試そうということになりました。

距離は七、二〇〇マイルもあります。往きは籘カゴに入れて船で運びました。インド沖を通り、紅海を抜けて地中海へ出たのですが、その間ハトは一度もカゴの外に出ていないのですから、道中の地理や地形はまったく分からないはずです。

ところが、アラスで放たれてから二十四日後に、サイゴンの屋根裏に帰ってきたのです。距離的にはこれが最長であろうと言われています。

次は動物や鳥類の予知能力の話です。“デイリー・エクスプレス”に次のような、主人の死を予知し、しかも主人といっしょに他界した不思議な犬の話が出ています。

警察官のへバーン氏がくじ引きでワイヤー・ヘアード・フォックス・テリア(ワイヤーのような毛をした小型のテリア)をもらいました。が、よほどの縁があったのでしょう、そのテリアがへバーン氏にとてもなつくようになりました。ティムという名前をつけてやって、へバーン氏も可愛がっていました。

ある日、サイクリングをしていて転倒したのがもとで、へバーン氏が寝つくようになりました。そして不思議なのは、よく吠えていたティムがその日から吠えなくなり、陰気(いんき)になったことです。へバーン氏の奥さんが新聞記者に語ったところによると

「その日から一度も吠えなくなりました。そして、あたしたちに見えないものが見えるようになったらしいのです。家中を駆け回っては一点をじっと見つめるのです。今から思うと、死神が見えていたのだと思います」というのです。

その死に至るまでの経過が不思議なのです。へバーン氏の容体が悪化しはじめると、ティムは主人のベッドの下にもぐり込んだまま、うつろな目をして動こうとせず、食べることも否定するのです。

さらに、主人が昏睡(こんすい)状態に堕ると、ティムも夢うつつの表情となって家を出て行きました。奥さんがのちに聞いた話によると、ティムは警察署へ行き、三度その署に入ったり出たりして、主人を探している様子だったといいます。

それから家に帰ってきましたが、相変わらず回りのことはまったく意識していません。奥さんがティムの首や脚を曲げると、曲がったままの状態で動きまわるのです。獣医に診てもらいましたが、身体的にはどこも異常はないというのです。念のために注射をしてもピクリともしません。

ヘバーン氏はその後肋膜(ろくまく)炎と脊髄(せきずい)炎を併発し、さらに目も見えなくなったのですが、ティムも同じ症状を見せ、へバーン氏がついに“臨終”の宣告を受けた時、ティムも“臨終”を迎えたということです。

へバーン氏がサイクリング中に転倒して早々に帰宅した時は、家族の者も近所の人も、まさかそれが原因で死を迎えることになるとは、誰一人として予想しませんでした。が、ティムはそれを“予知”していたのです。両者の愛の絆があまりに強かったために、主人の症状がことごとくティムにも反応したのでした。

次はインコの可哀そうな話です。『プログレス・トゥデイ』紙に、ダグラス・ヒュームという人によるこんな話が出ています。

オーストラリアのニュー・サウスウェールズで、ある人がインコの巣から三羽のひなを失敬して、トラックでシドニーに向かって出発しました。ところが驚いたことに、盗まれたことに気づいた母鳥がその道中の二百マイルをずっと付き添って、カゴの中にいる三羽に植物のタネや昆虫を食べさせていたといいます。

そのひな鳥たちはもうすぐ飛べるようになる直前だったようで、母鳥は近くの木にとまって、大きな声で、飛んで出て来なさいと言わんばかりに啼(な)きはじめました。が、カゴの中にいるひなが飛び出せるはずがありません。

間もなく悲しい出来事が起きました。母鳥の方もそのこと、つまり三羽は絶対に外に出られないことがわかったらしいのです。母鳥はどこかへ飛び去って、再び戻ってきて、いつものようにエサをやりました。ところが、エサと思えたのは実は毒草のタネだったのです。ひな鳥たちは、三羽とも相次いで死んでしまいました。

「哀れな母鳥の知恵というべきでしょうか。我が子がペットにされてしまうことを超能力で悟ったのでしょう」

ヒューム氏はそう語っていますが、そう簡単に片づけられるものではないように私には思えるのです。

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